※彼らの会話は、メルディシア準拠(母国語)でお送りいたします。
 
ノル「若様」
 
リーディ「何だ? ノル」
 
ノル「最近お痩せになった様子ですが……きちんと食事は摂っているのですか?」
 
リーディ「ああ、摂ってるよ。まあ、少しは栄養が偏ってるかもしれないがな」
 
ノル「やはり、まだお一人で暮らすのは無理があるのかもしれませんね」
 
リーディ「はは。お前は本当に過保護だな」
 
ノル「…………」
 
リーディ「ノル?」
 
ノル「私は貴方様の従者です。あんな小娘に仕えるために、わざわざ現界に渡ってきた訳ではありません」
 
リーディ「ノル……自分でさっさと段取りを決めておきながら……」
 
ノル「何ですか?」
 
リーディ「いや?」
 
ノル「…………」
 
リーディ「拗ねるな、ノル」
 
ノル「拗ねてなどおりませんよ。……呆れているのです」
 
リーディ「…………」
 
リーディ「お前には本当に感謝している、ノル」
 
ノル「……なんですか? 急に」
 
リーディ「こんなわがままを言い出した私に、わざわざついて来てくれただろう」
 
ノル「当たり前でしょう。貴方様を一人にしておいたら、何をしでかすか……」
 
リーディ「だから、それが過保護というのだ」
 
ノル「過保護ではありません。貴方様にもしものことがあったら、私は生きていられません」
 
リーディ「ノル……」
 
ノル「だから、私自身のために貴方様についてきたのです。過保護だからとかでは一切御座いません」
 
リーディ「……まあ、そういうことにしておこう」
 
ノル「何ですか? 何を笑っているのですか?」
 
リーディ「いや? 私はそういうお前が好きだと言っているのだよ」
 
ノル「…………」
 
ノル「……そういう台詞は、大切な人に言うものですよ。若様」
 
リーディ「じゃあ、お前に言うのも間違いではないな」
 
ノル「…………」
 
ノル「さて、夜も更けて参りました。私は眠いのでそろそろ戻ります」
 
リーディ「……そうだな」
 
ノル「お休みなさいませ。我が主様」
 
リーディ「ああ。そちらもゆっくり休めよ、ノル」