story ―プロローグ―

―――とある夏の日。
ひとり家路を歩いていた相崎恋。
自宅まであとちょっとというところで不意に誰かに呼び止められた。
振り返って見ると、そこには怪しい黒スーツの2人組。
どうやら恋の祖父の命令で、恋を迎えに来たらしいのだが。

2人に不信感を募らせているとそこに聞き覚えのある声が。
現れたのは、昨年突然の転校で連絡が取れなくなった恋の憧れの先輩『速水尚仁』だった。
尚仁は黒スーツの2人組みと共に恋を迎えに来たのだと言う。
「僕と一緒に来てくれないか?」
憧れの先輩のその一言に、先ほどまでに不信感は何処へやら。
二つ返事で彼らについて行くことを了承してしまった恋。

尚仁の笑顔につられて(?)やって来た場所。
そこで待っていたのは、10年ぶりになる祖父との感動の再会などではなかった。
緊迫感の漂う部屋の中では祖父以外の見知らぬ男性達から何故か非難の視線を浴びる。
状況を把握しきれず戸惑う恋に、追い討ちをかけるように予想外の爆弾が次々と投下された。
「実はのう、明日からお前は『天城寺学園』に転入することになったんじゃ」
天城寺学園・・・・・・そこは全国に名をとどろかせた由緒正しきエリート男子校
その理事長だと言う恋の祖父の一言に猛反発を始める理事会の役員達。
その反発の内容といったら「女なんかの為にそんな事」「女をいれたら学園の品位が」
などなど完全に女性を見下した発言ばかり。
それを聞いて元来負けず嫌いの恋は黙っていられなかった。

「あんた達のその考え方、変えてやるわ!!」

かくして、天城寺学園史上初の女子生徒として恋の新たな生活が幕を開けた。
突如知らされる許婚の存在や自分以外はみんな男という慣れない環境………
果たしてこれから先の学園生活、天国なのか??地獄なのか?!

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