− ６/８前の放送部 −
	「……しかし、今日も今日とて民謡民謡民謡……」
	「演歌も時たま挟みます」
	「そうだね。なのに何故クレームが来ないのか……」
	「ちーちゃぁん、たまにはＪポップとか洋楽とかかけようよぉ」
	「一ヶ月選曲してええ権獲得したんは、俺のはずやけど」
	「せめて目を合わせて言ってよ」
	「何の雑誌を読んでいらっしゃるのですか？　千木良先輩」
	「資料室に落ちてた本。ほれ」
	（……女性が沢山載っている）
	「ちょ、千木良先輩！　そういう本普通に彼女に見せないで下さい！」
	「じゃあお前にやるわ」
	「い　り　ま　せ　ん。捨てますからね？」
	「何の本？　……なーんだ、写真集か」
	「なーんだって……」
	「ちーちゃんがそういうの読んでるのって珍しいね」
	「いや、ただお前らに見せたらどんな反応が返ってくるか思うてなぁ」
	（その為に布地の少ない女性が表紙の雑誌をここまで持ってきたのか）
	「誰かの私物だったらどうするんですか……戻してきてくださいよ？」
	「……そういえばさ」
	「なんや」
	「前から思ってたんだけど、広瀬ってなんかスガちゃんに過保護じゃない？」
	「せやなあ」
	「え……」
	「そうですか？」
	「いや、そんなことは……ないよね？」
	「ははーん。……お前、さては菅野狙いやな？」
	「…………」
	「まさか」
	「まさかだそうです」
	「なんや、つまらん」
	「というか、法月先輩だって十分――」
	「あっ、ほらちーちゃん。もう直ぐ曲がとまるよ？」
	「さ、次の曲は……」
	「…………」
	「ご安心を、広瀬くん。本は私が責任を持って資料室に返して来ましょう」
	「いや、そんな心配はしてなかったんだけどね？」
	「……でも、千木良先輩も良く毎日違う曲を持ってくるよね。 自分の好きなことにかける情熱は流石っていうか」
	「はい。信念を貫き通す様は立派です」
	「……ある意味ではね」
日常２　完

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