皐月「えッ!」
 
???「ん?」
 
皐月「きゃッ!」
 
 
 
 
皐月「い、痛……」
 
???「……おっと、ちょっと現れる場所間違えちゃったな。キミ、大丈夫?」
 
皐月「あ、はい……こちらこそ、ぶつかってしまってすみません」
 
???「いいよ、大体計算通りだから」
 
皐月「え……?」
 
 
 
皐月「は、はじめまして……」
 
餘部「あ、これお煎餅食べる?」
 
皐月「い、いえ……いいです」
 
餘部「そう。美味しいのに」
 
皐月「…………」
 
餘部「ん? やっぱり食べたいの?」
 
皐月「い、いえ……違います。あの、じゃあ私この辺で……」
 
餘部「……キミ、天文部に入るといいよ」
 
皐月「は、はい?」
 
餘部「ロマン一杯夢一杯。ついでにお腹も一杯になれるよ?」
 
皐月「ロマンと夢は分かりますけど……あの、お腹は何故……?」
 
餘部「ん? お茶菓子が出るから」
 
皐月「そ、そうなんですか……」
 
餘部「……ね? 入りたい気分になったでしょう?」
 
皐月「いえ。申し訳ありませんが、全く」
 
餘部「そう、つれないねぇ」
 
皐月(部活の勧誘だったんだ。……でも、どうしてこの時期に?)
 
餘部「あ、じゃあもっと素敵な特典付けてあげる」
 
皐月「え?」
 
餘部「ボク独り占め権! 部活の最中、ずっとボクを独り占め!」
 
皐月「独り占め? ……あの、部員の方って何人いらっしゃるんですか?」
 
餘部「え? ボク一人だけど?」
 
皐月「一人だけなんですか!?」
 
皐月(部員一人で部活として機能するんだ……)
 
餘部「それでもダメ? ……全く、キミって欲張りだなぁ」
 
皐月「あ、いえ……そういう訳ではなくて……」