皐月 | 「何を食べようかなー……の前に、まずは財布とご相談」 |
皐月 | 「……………………」 |
皐月 | (……お財布、家に忘れて来た) |
皐月 | (泣きたくなる程情けない……何してるんだろう、私) |
皐月 | 「え……?」 |
皐月 | (今、玄関の方から物音が……) |
皐月 | (あ、もしかしてお父さんとお母さん? 生活費を置いていかなかった事を思い出して、帰って来てくれたとか?) |
皐月 | 「…………」 |
皐月 | 「ないない」 |
皐月 | (じゃあ、今の音って……) |
皐月 | (……まさか、今度こそ本当に泥棒!?) |
皐月 | 「…………」 |
皐月 | 「だ、誰ですか!!」 |
暁? | 「わッ!」 |
皐月 | 「え……?」 |
暁? | 「ああ、びっくりしたー。皐月ちゃんかぁ」 |
皐月 | 「え? ……も、もしかして、暁兄!?」 |
暁 | 「うん。久しぶり」 |
皐月 | 「うわぁ、本当に久しぶりだね! ええと、最後に会ったのっていつだっけ?」 |
暁 | 「えーと、皐月ちゃんが小学校高学年か、中学の時だったかなぁ」 |
皐月 | 「そんなに前なんだ……。でも、あんまり久しぶりって感じがしないね」 |
暁 | 「そうだね」 |
皐月 | 「暁兄、今年幾つになるの?」 |
暁 | 「19だよ」 |
皐月 | 「そっかー。大きくなったねー」 |
暁 | 「こらこら。その言葉は普通俺の方が言うんだって」 |
皐月 | 「あははっ。……あ、玄関に立たせっ放しでごめんなさい。中にどうぞ!」 |
暁 | 「あ、今日は皐月ちゃんの様子を見に来ただけだから」 |
皐月 | 「え?」 |
皐月 | 「お父さんとお母さんが?」 |
暁 | 「そう」 |
皐月 | 「私の手伝いって?」 |
暁 | 「ええと、主にお店の手伝いとか、ご飯の事とか」 |