皐月(……? 今声が……)
 
ルーエン「…………」
 
皐月「…………」
 
皐月(誰ーーーーーーーー!?)
 
皐月(さ、さっきまでは誰もいなかったのに!! ……も、もしかして泥棒の方ッ!?)
 
ルーエン「……おい」
 
皐月「!!」
 
皐月(声掛けられた!? ど、どうしよう……こういう時は慌てず騒がず……)
 
皐月「あ、あの! 残念ながらうちにはお金がありません!!」
 
ルーエン「……何を言ってるんだ? 俺は……」
 
ルーエン「ッ! …………クソッ」
 
皐月「え……?」
 
ルーエン「…………」
 
皐月「ッ!」
 
皐月「きゃああああああ!!!」
 
ルーエン「……煩い、黙れ」
 
皐月「でで、でもっ! 剣が……っ!!」
 
ルーエン「それがどうした。……さぁ、言え、何の為に俺を喚んだ?」
 
皐月「な、何の為にって……っ」
 
皐月(こ、この人何を言ってるの!?)
 
ルーエン「…………」
 
皐月「!!」
 
皐月「あ、あのっ! びょ、病院! そうだ、病院に行きましょう!!」
 
ルーエン「何……?」
 
皐月「だって怪我してるじゃないですか!! そのままにしておいたら……っ!」
 
ルーエン「……お前には関係ない」
 
皐月「無くはないです!! だって、ここうちの蔵ですよ!?」
 
皐月「それに、そのままにしておいたら貴方の命が!!」
 
 
皐月「よ、用事なんてありませんよ! それに、私は貴方を呼んだ覚えもありません!!」
 
ルーエン「……何?」
 
皐月「だけど貴方をこのままにも出来ないし、
だから剣だけでも抜いて治療させて下さい!!」
 
ルーエン「……お前、自分が何を言っているのか分かっているのか?」
 
皐月「え……あ、じゃあそれが私の望みです! 望みがあれば良いんですよね!?」