皐月 | 「はぁッ、はぁッ……」 |
皐月 | (……な、夏場の全力疾走はキツイ……) |
皐月 | (しかもご飯を食べてないから、お腹が物凄く減ってる) |
皐月 | (どうしよう……やっぱり遅刻は……) |
皐月 | 「……た、たまには良いよね!」 |
皐月 | (……とは言ったものの、遅刻したらしたで講習中に教室に入るんだよね) |
皐月 | 「選択、間違えたかな……」 |
山瀬 | 「何を間違えたって?」 |
皐月 | 「え?」 |
山瀬 | 「よ、皐月」 |
皐月 | 「や、山瀬君……」 |
皐月 | 「山瀬君こそどうしたの? ……そんな所で」 |
山瀬 | 「俺? 俺は登校中だけど?」 |
皐月 | 「塀の上に登るのが!?」 |
山瀬 | 「ああ、ここ近道なんだよ。普通に歩いてたら遅刻すっし」 |
皐月 | 「ふ、不法侵入だよそれじゃ……」 |
山瀬 | 「いやいや。どうせここら辺に住んでる人って大体知り合いじゃん? じゃあ不法じゃないじゃん?」 |
皐月 | (違うよ……多分) |
山瀬 | 「皐月、そこ避けて」 |
皐月 | 「あ、うん」 |
山瀬 | 「よっと!」 |
山瀬 | 「山瀬勇人君、10点!」 |
皐月 | 「…………」 |
山瀬 | 「あー、冷たいでやんのー。折角俺が一緒に学校行ってやろうとしてるのにー」 |
皐月 | 「え? もしかして、私を待っててくれたの?」 |
山瀬 | 「な! そ、そんな訳ないだろ! お前を見掛けたのはたまたまだよ、たまたま!!」 |
皐月 | 「わ、分かったってば!」 |
山瀬 | 「ほ、ほら行くぞ皐月! まだ走れば間に合う時間だからな!」 |