本作の主人公で14歳の時実の兄に野球のバットで殺されかける。
この事件の直前視界にテレビの砂嵐のようなノイズが走り、以降も時折ノイズが見えるようになった。
少年院退院後は兄を手元に置き話し合う時間を作ろうという両親の判断で、事件後から伯母の家で暮らし学校へ通っている。
自分が兄に殺されることは確定事項だと思っており、何事にも興味を示さなくなった。
その為昔を知らない周りからは冷めた性格だと思われている。
事件後から投薬治療と月に1回のカウンセリングを受けている。

主人公が死に際を考えていた時に声をかけてきた同じ学校の生徒。
とても親身になって悩みを聞こうとするが、言動が軽くあまり信用されていない。
初対面時もあまりに軽い口調の為、張り詰めた状況にも関わらずナンパと錯覚しそうなほどだった。
8歳の時に小児がんを患い5年間闘病生活を送っており、自身が死の恐怖を経験したことと闘病仲間が亡くなったことによって生きる事の大切さを誰よりも理解している。
また、死に敏感な為か他人の死期が近い時、それをうっすら感じ取ることがある。

主人公の実家の近くに住んでいる少年。小学校の時は一緒に遊んだりもしていたが中学、高校と受験でそれぞれ別の学校へ行った為疎遠になっていた。
主人公が伯母の家で暮らすようになってからは時折電車で姿を見るようになり、いつも憂い顔の主人公を気にしていた。
県内有数の進学校へ通っており博識で頭は切れるが、知識にステータスを全振りしてしまったかのように他が全く足りていない。
昔のような何でも話せる関係になって親身に相談に乗ってやりたいと思っているのだが、接し方がわからず（本人以外から見ると）微妙な関係が続いている。

主人公の周りで起こる連続殺人の被害者の弟。
警察の捜査が思うように進まぬ中、主人公と二ノ瀬が殺人事件を調べていると知り接触してくる。
最初は姉の死の真相を知りたい一心で必死に情報を集める健気な弟を演じていたが、主人公達が大した情報を持っていないと判断するとぶっきらぼうな地の性格が出てくる。
誠一という名前だがあまり誠意が感じられない。
犯人に対しては殺してやるなどと物騒な物言いをするが頭の方は冷静で、主人公の兄が犯人だという話は仮説の一つとだけ捉えている。

主人公の周りで起こった連続殺人の担当をしている刑事。
連続殺人の可能性がある事は一般人には知られていないはずだが、調査中に主人公一行と何度も遭遇したことにより何らかの情報を持っていると判断する。
子供相手だからか元からそういう性格なのか、主人公達へは砕けた口調でラフに接している。
年については20代とだけ答えるが、何かコンプレックスがあるようであまり話したがらない。

主人公の双子の兄。
特に何かあったわけでもなく素行も悪くなかったが、ある日妹を手に掛けようとする。
事件前はどこにでもいる活発な少年だったが、少年院に入ってからは喜怒哀楽の全くない無口な少年になった。
彼の失踪後から連続殺人が起こるようになるが……

事件後から通うようになった心療内科の主治医。
穏やかな青年で初対面でも何故か心の内を話したくなるような不思議な魅力がある。
主に澪に対してカウンセリングを行っているが、時折両親と話す事もあり家族が事件前の暖かな家庭に戻れるようサポートしている。
アゲハ蝶が好きで診察室の飼育スペースには常に10匹前後のいもむし達がいる。
本人は患者さん達の癒しにと言っているが、効果があったという話はまるでなく本人が楽しいだけになっている。

主人公の兄が失踪してから起きた殺人事件3人目の被害者。
主人公一行が襲撃の現場に居合わせ負傷はしたものの一命をとりとめる。
死の恐怖を味わったことにより事件からは離れたがっているが、なまじ頭が良いせいで彼らを助けようと結局関わる羽目になる。
本当は自分本位に生きたいのだが、どうしても相手の事を考えてしまうお人好しかつ損な役回りの人間。

鳴海誠一の義理の姉で両親を事故で亡くしたことにより従弟である誠一の家に引き取られた。
主人公の兄が失踪してから起きた殺人事件2人目の犠牲者。

要と一緒に事件を追う先輩刑事。
兄が事件に関係しているのではと疑う主人公の考えを否定するが、何か思うところがあるようだ。

南青瀬の現市長。元は検察官だったが正義感が強く、法で人を裁くことに限界を感じ事件そのものを起こすような人間を減らそうと政界に転身する。
子供の教育と子育て世帯への支援に力を入れており、子供達がまっとうな人間に育てば事件を起こす人間が減ると考えている。