「残暑お見舞い、申し上げます!」
「毎日毎日マジ意味が分からん暑さだな……」
「夏だから」
「そういう“意味が分からない”って意味じゃねーよ!!」
「葉村くんと広瀬くんは夏っぽいこと何かした?」
「大体お前と同じことだよ」
「え……僕がしたこと、どうして知ってるの? まさか、ストー……」
「寮同じだろうが!! 大体のデカイイベントはお前と同じって意味だっつの!」
「あ、そういう意味かぁ……良かったぁ……」
「お前は俺をどういう人間だと思ってるんだ」
「空閑くんは何か思い出に残るようなことあった?」
「ええっとね、皆で一緒にスイカを食べたり、花火したり、ラジオ体操に行ったり……
 うーん、沢山あって、全部言えないや」
「後は地元の祭りの手伝いとかでけぇよな。
 米原先生の所為で色々やらされて、次の日筋肉痛になったっつーの」
「それと、お祭り後のゴミ拾いとかも、したね!」
「ああ。……つぅか殆ど一日動き通しだったよなー……」
「そう考えると結構充実してたのかな」
「どこが」
「あ、ねえ。二人はもう夏休みの宿題終わった?」
「うん」
「まだ」
「えーと……」
「…………」
「み、皆さんは、終わりましたか? 残りの夏休みも楽しく、お過ごしください!」
「何まとめに入ってるんだよ」
「葉村くんと俺、
 どっちの発言に先にコメントすればいいか判断付かなかったんだと思うよ」
「はぁ!? お前空閑! どう考えても俺を優先させるべきだろ!」
「えっ!?」
「同じエコ部だろ?! 広瀬なんかより俺の方がお前と仲良いだろ?!」
「え……ええと……」
「即答しろよ!」
「で、でも……クラスで、広瀬くんにお世話になってる……から……」
「は?」
「あの、グループ行動の時とか、入れてもらってるの」
「…………」←広瀬を凄い形相で睨んでいる
「…………」←目を逸らしている
「け、喧嘩は駄目、だよう!」
「いや、俺は喧嘩するつもりは全く」
「おい! 空閑をかけて決闘だ!」
「ええ?! は、葉村くん……」
「お前は黙ってろ!」
(何故こんな修羅場に発展したんだろう……)
「今年はスイカを丸ごと一つ頂きました。おいしかったです」
「だけど誰よりも早く食べ終わってたよね、スガちゃん」
「戸神も丸ごと一つ食べてたなー」
「はーっはっはっはっはァ!」
「それもこれも、葉村くんのお父様のお知り合いでスイカ農園の経営者の方がスイカを大量にくださったお陰ですね。ありがとうございます葉村くん」
「スガちゃん妙に説明的だね。
 後、ハム男は今とっても必死みたいだから聞いてないみたいだよ?」
「なんと」
「えー、それでは最後に今年のゴールデンウィーク用に書きかけて結局使うことがなかった文章と共にごきげんよう」
「以下からだぜェ!」
「……戸神ほとんどしゃべってないな」
「こまけェこたァいいんだよ!」
おまけ 〜タイトル : ゴールデンウィークの俺ら〜
【現在地:月蛙寮談話室】
「という訳でゴールデンウィークだ」
「世間一般では、黄金週間っていう奴だよね!」
「へえ、そうなんだ。……で、ゴールデンウィークがどうしたの?」
「そういえば、僕達が入寮したのって、6月上旬だよね?
 それで今が、ゴールデンウィークだってなると……」
「まあ、確実に高校一年じゃないよね」
「いいんだよそういう細かいことは!」
「はーっはっはっはっはァっ!」
(庭から何かの鳴き声が……)
「それで、ゴールデンウィークがどうしたの? 葉村くん」
「散々引っ掻き回してたけど覚えてたんだな……」
「えっ……!? そ、そんなつもりは……ご、ごめんね!」
「えっ、いやっ、べ、別に怒っちゃねーし、そんな泣きそうな顔すんなよ!」
「う、うん……っ」
「あーもう、ほら、ティッシュ使えよ」
(相変わらず仲良いな、この2人……)
「ぐすっ……それで、ゴールデンウィークがどうしたの?」
「いや、折角の連休だし何かしねぇ?」
「そういう提案珍しいね」
「お前は本当に一言多いな」
「ああごめんついうっかり」
「棒読みかよ」
「で、でもいいねっ! 僕そういう経験ないから、葉村くんの意見に賛成っ!」
「俺も特に予定ないし賛成」
「よし! じゃあ……何する?」
「ノープランなんだ」
「ちげぇよっ! 意見出し合って決めようと思ってたんだよ!!」
「葉村くん……ものすごく成長したね!」
「空閑……お前のその悪気のない言葉に俺は心がくじけそうだ……」
「えっ、えっ?」
「えーと、とりあえず葉村くんは何がしたいの?」
「俺か? 実はな、ついこの間商店街にカエリーナタンショップが出来てだな」
「その先は聞かなくても分かるからいいや。空閑くんは?」
「おい!」
「僕? ええとね……みんなでTVゲーム、したいな!」
「ゲーム? 何の」
「あのね……これ!」
「…………」
「…………」
「これ、この間お前が言ってた……」
「うん! 女の子を落とすゲームだよ! CEROはBなんだ!」
「セロ?」
「ゲームの年齢制限だよ。Bは12才以上対象なの」
「お前……女が苦手なんだろ? 平気なのか?」
「だって二次元だもん!」
「なんか凄い発言が……」
「……あの、ダメ、かな?」
「い、いや……まあ、お前がやりたいってんなら、まあ……なあ?」
「そこで俺に振るんだ。……俺も別にいいよ?」
「やった! じゃあ……どこでやる? 談話室でもいいけど」
「いやいや、談話室はマズイだろ談話室は」
「大丈夫だよ、そんなにどぎついシーンも出てこないはずだし」
「うん、でも三人も集まって何やってんだってなりそうだし、
 誰かの部屋での方がいいかな?」
「そう? じゃあ、僕の部屋にする?」
「ああ、是非そうしてくれ」
「分かった」
【現在地:空閑の部屋】
「えへへっ、嬉しいなっ! なんか、こういうのワクワクするねっ!」
「俺は多分お前とは違った意味で動悸が早まってるよ……」
「それで、基本的に何をするの?」
「凄い平然としてるけど、お前、こういうの平気なのか?」
「二次元だし」
「…………」
「えーっとね、さっきも言ったけど、女の子を落とすのが目的なんだよ」
「大体の子は落とせたんだけど、どうしても隠しルートが出なくて」
「ああ、それでそのルートを俺達の意見も交えて探したいと」
「うん!」
「はあ……まあ、ここまできたら腹くくるよ。
 で、その隠しルートってのに該当するキャラは?」
「この子」
「…………」
「…………」
「? どうしたの? 二人とも。そんなに見入って」
「……えっ、これ、すっ……あ、いや……」
「???」
(……菅野さんに似てるって、言いたいんだろうな、多分)
「難攻不落だってネットでも騒がれてるんだよ!
 口調とか性格も新感覚って言われてて」
「へー……」
「……まあ、とりあえず始めようか」
「お前、急にやる気になってないか?」
「気の所為だよ」
「よーし、頑張ろうねっ、二人とも!」
「お、おう!」
「やるからには全力を尽くさないとね」
「…………」
純粋で不純な想いを抱えた少年達の或るGWの一幕でした。
完。
「…………」
「ほんまはもっと長い話やったらしいで」
「需要のないもんこさえて、馬鹿だねェ」
「せやな」
「で、どうして今更なんだい?」
「GWの時はこれを単体で上げるのが流石に馬鹿らしくなって、
 今上げたのはみにどこのネタ不足解消のため」
「ますます馬鹿だねェ」
「せやな」
「それでは、次こそは頂いたご質問に返答する内容でお会いしましょう」
「良い笑顔だな、創一」
終わり。

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