「さて、六回目ですね。
 本日は前回お話した通り、頂いたお写真を載せさせて頂きます。
 さあ千木良くん、お写真を……」
「…………? おや、千木良くんが見当たりませんね」
「小田島」
「先輩。千木良くんを見ませんでしたか?」
「これ、千木良から」
「お手紙ですか? なんでしょう……」
後は任せた 千木良より
「…………」
「疲れたらしい。毎週頑張ったから」
「……メンバー中、誰よりも年上ですからね、彼」
「という訳で、代わりに俺が参戦するぞ! 星も飛ばしちゃうぞっ☆彡」
「僕、先輩と二人でやるのが非常に不安なのですが……」
「何を言うんだ、小田島。俺ほど頼りになる先輩なんてそうそういないぞ!」
「さ、はじめようじゃないか! 六回目を!」
「そ、そうですね……ええと、お写真を頂いたんです!
 なんと、カエル畑のケーキを作って頂きました!」
「おお! 凄いじゃないか! 俺に負けず劣らず素晴らしいテクニックをお持ちで!」
「先輩の腕はさておき、本当に素晴らしいの一言に尽きますよね」
「ああ、そして水城の突き刺さり方がとにかく芸術的だな。角度とか」
「はい、とても」
「…………」
「どうしたんですか? 先輩」
「いや……おまえ等って、カエル時の方が本体なんだよな?」
「ええ」
「人間の時の姿はなんなの? 何扱い?」
「対人用です。人は自分の認識外、及び己の美的感覚から外れた異質なものには基本恐怖を抱きますからね」
「まあ、恐怖ではあるよな……
 お前はともかく、青いセクシャルな巨大カエルが現れたら」
「はは……」
「おお、こっちは“千木良参戦!”の方か!」
「はい、物凄く豪華ですよね!」
「ホント、良く出来てるよな……それにしても、側面もすごいなぁ。カエルまみれだよ」
「ええ、可愛いですよね」
「可愛いってお前、これってお前がカエルの時の顔じゃないか?」
「え? そうですか?」
「あら嫌だ、小田島先生ったら自画自賛……」
「そ、そんなつもりは!」
「照れるな照れるな!
 いやー、それにしてもどんな味がするのか食べてみたかったなあ」
「先輩、因みにこの方は千木良くんのファンだそうですよ」
「……千木良か……
 “千木良参戦!”で千木良のファンばっかり増えて……俺は悔しいよ!」
「いいじゃないですか。素直に喜んであげましょうよ」
「俺にはそんな深い懐はないんだよ、小田島」
「真顔で言わないで下さい」
「……ん? 今気が付いたんだが、側面のこの青いのって……」
「一陽ですね」
「切り分けた時、ここに当たった人は何かに中りそうだな」
「どういう意味ですか、先輩」
「深くは考えるな。それで、この方は新作も作ってくださったそうだぞ」
「嬉しい限りですね! そちらはまた後日ご紹介させて頂きましょう」
「折角だもんな。……で、お名前は多分本名で頂いちゃったんだよな、これ」
「え、ええ……なので、もしまたご連絡頂くお機会ありましたら、その時にでも……」
「因みにメールを頂いたアドレスは大丈夫です!」
「絶対とかではないので、気が向いたら教えてくれるとミサキちゃん喜んじゃうぞ☆彡」
「先輩、この方は千木良くんが好きなので、
 もう少し千木良くんっぽい対応してください」
「無茶苦茶言うね、小田島先生」
「だって、今千木良くんがいないんですもん」
「俺に憤るなよ! 千木良ー! たすけて ちぎらくーん!!」
「ところでご質問頂きました」
「……小田島先生? 暫く会わない内に振り方が滅茶苦茶になったね?」
「多分暫く千木良くんと一緒にいたので若干移ったのかもしれませんね……」
「まあ怖い。早く元の温厚で少し俺に手厳しい小田島に戻って」
「善処します」
「ありがとう。……で、質問は?」
「お写真を頂いた方からなのですが、“浄化体質であるはずの千木良先輩が動物に好かれてないっぽいのはどうしてでしょうか?”だそうです」
「リアルな回答行きます! それは千木良の位が高く、神聖な存在だからです!!」
「対面すると“畏怖”の感情が先にくる……ということですね」
「そうだな。だから烏天狗は基本周りのやつ等に怖がられてると」
「職業柄だけじゃなかったんですね」
「ああ。放つオーラが違うって奴だ」
「以上が答えになります。お気に召したでしょうか?」
「さて、それでは次に、お前と千木良宛てにメール頂いたそうだな」
「ええ、そうなんです。前にご感想を頂いたテテ様からなのですが……」
「当の千木良がいないじゃないか」
「ええ……」
「分かった。じゃあ俺が精一杯千木良になりきる」
「え?」
「“眠い、だるい”」
「それは口癖です」
「……しかし、
 良く考えたら千木良が面倒臭がりなのは年の所為だったのかも知れないなあ」
「遠い目をしないで下さい。もう先輩はいいです」
「テテ様、僕と千木良くん宛てにご感想ありがとございました!」
「“トガミの飼い方”、喜んで頂けたようで嬉しい限りです!」
※“トガミの飼い方”
 TAKUYO公式通販で“千木良参戦!”を発売日前までにご予約頂いたお客様に
 付けさせて頂いたおまけ
「じゃあ、今回は没になった“トガミの飼い方”のネタをお送りしながらお別れするか」
「ええ、そうですね」
「ところで、小田島先生はツインテールとポニーテー……」
「それでは運がよければ来週の金曜日にお会いしましょう!」
「……答えるまで毎回聞くからな」

【旧トガミの飼い方、“戸神非公認:戸神の秘密99”】
 没理由:何か面白くなかったから。あと99個も考えるのが面倒になったから
01:目……どんなに狭い隙間に生えているキノコも見つけ出すぞ!
02:鼻……性別、性格、家族構成、その他もろもろかぎ分けられるぞ!
03:口……最近豆とキノコしか食べてないぞ!
 キノコを食べているのは師匠にはナイショだぞ!
04:頭……振るとカラカラ音がするぞ!
05:耳……10メートル先で落とした1円玉の軽い音でも聞こえるぞ!
 でも基本人の話は聞かないぞ!
06:ハート……師匠に殴られるとたまに止まるぞ!
07:右心房……心臓の4つの部屋のひとつ。正面から見て左上に当たる。
 上・下大静脈からの静脈血を受け、三尖弁を経て右心室へ送る。
08:上腕二等筋……悩ましくてたくましいぞ!
09:右足膝……師匠の膝にはたまに水がたまるぞ!
10:へそ……幼少期はでべそだったが、押したら引っ込んだぞ!

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