※葉村と空閑と広瀬がお好きな方で、
 彼らが乙女ゲームの登場キャラクターだと思っている方は閲覧をお控えください。
「結局カエル畑のメインヒーローって誰なんだよ」
「君まだ言ってるのそれ」
「え? 菅野さんじゃ、ないの?」
「…………」
「…………」
「いくらなんでもそれだと俺らの立つ瀬がないだろ」
「そうかな?」
「空閑くんはヒロイン扱いだったしね」
「そう、それなんだよね。思ったんだけどどういう意味のヒロインだったんだろう」
「……空閑にスイッチ入ったぞ」
「入ったね」
「ヒロインっていうのはまあ女性主人公のことでしょう?」
「ああ」
「後はヒーローポジションの男の子がいて、
 その恋の相手がヒロインって場合もあるよね」
「そうだね」
「もし僕が後者の場合、それでメインヒーローが菅野さんであるなら」
「あるなら?」
「僕が菅野さんの真の恋の相手だってことだよね?」
「…………」
「…………」
「……いや、そんな難しく考える必要ないんじゃないか?」
「そうそう。多分、ほら。男性向けゲームとかってあるじゃない?」
「うん」
「そういうゲームに出てくる相手の女の子みたいだって意味だったんじゃないの?
 千木良先輩が言いたかったのって」
「そっかぁ!」
「…………」
「なあ、男性向けってギャルゲとかエロゲってやつか? 空閑に教わったんだが」
「何教わってるの君」
「いや、それはまあ置いといて。お前はなんで知ってんの?」
「……一般教養?」
「普通に生きてたらまず知る機会ねー言葉だろ」
「え? そうかな?」
「で、結局君の疑問は解決してない訳だけど」
「そういえばそうだな」
「随分前に、お雛様席争奪戦ってやったよね」
「ああ……あったね」
「そういえばそんなおぞましいもんもあったな」
「あそこで投票してくれた皆から寄せられたメッセージにコメント返してたよね?」
「してたね」
「それがどうしたんだよ」
「あの時のスタッフコメントの中に、
 “メインヒーローは一年三人です”って書いてあったよ?」
「…………」
「…………」
「それがリアルなら、何故雑誌掲載の初号は俺と菅野と化け猫だったんだ?」
「ああ、確かに」
「企画も
 “どうして葉村だけクローズアップされてるんだろう”って思ってたみたいだよ」
「えらい人事だねその感想」
「うん。で、後で気付いたんだって。
 “そういえば、一年三人がメインだって言ってなかったな”って」
「散々だな!! 発売日だってのに!!」
「発売日だからじゃないの? 時期逃したらもう言い出せないネタだし」
「酷ぇな」
「という訳で、
 本日“カエル畑DEつかまえて・夏 千木良参戦! ぽーたぶる”が発売です!!」
「それでは月宿でお会いしましょう」
「……メインヒーローらしき俺と空閑と広瀬からでしたー」
完。

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