「毎日暑いねー」
「まあな」
「アイス美味しいねー」
「まあな」
「あ、蚊が飛んでる」
「風流だな」
「…………」
(葉村くん、カエリーナタンのポストカード集を、にやにやしながら、ずっと見てる……)
「葉村くん」
「ん?」
「あの、カエリーナタンの、どこが好きなの?」
「聞きたいのか?」
(わあ、凄い勢いでこっちに振り向いた)
「あの、簡潔に、だったら、聞きたいかな?」
「パーツなら、口元、長い手足……つか全部。緑色してるところとか最高だし可愛さとか他の追随を――」
「あっ、あのっ! ……み、緑以外は、駄目なの?」
「緑だから良いんだろうが」 (表情:真顔)
「そ、そうなんだ……」
(ハム男の好きな色って、確か透明だったよね……何で緑にこだわってるんだろう)
「はーっはっはっはァ! “お尋ね変人ターナー” 行くぜ!!」
「えっ、突然何ごと?」
「…………」
「あ、お便り返信コーナーか! 戸神先輩、それきっと誰も分からないとおも――」
「こまけェこたァいいんだぜ!!」
「……ま、時間も惜しいしいっか! えーと、トロックマさんからのお便りでーす!」
「“千木良先パイが攻略対象じゃなかったのでガッカリでした”」
「えっと、“千木良参戦!”を買ってね!!
 あ、もしかして買ってくれたのかな? だったら嬉しいな!」
「何だか分かんねェが嬉しいぜ!!」
「“月宿神社の社の中には誰が居たのでしょう”」
「広瀬俺共通ルートで、
 広瀬が社の前で筆箱の中身ぶちまけた前後で社がカタカタしてたことかな?」
「あれは中に誰かがいたからカタカタしてたんじゃなくて、
 主の力が入った置物が、俺と共鳴(?)してカタカタしてたんだよ」
「分かりにくくてゴメンね!」
「すまねェぜ!」
「“風羽の両親の細かい馴れ初めが気になる!!”」
「スガちゃんのお父さんは絵描きの風来坊で白い狐(人外)だっけ?」
「えっと、確かスガちゃんのお父さんがお腹をすかせて行き倒れていたところを、
 スガちゃんのお母さんが助けたのが馴れ初めだよ!」
「それ今作ってねェか?」
「違うもん! 確かそんな感じのことを考えてたんだもん!! 確か!」
「ふぅん」
「設定だけは作っても、蛇足になる部分は作中で削ったりするんだ」
「だから表に出す機会がなかなかなくて、色々お蔵入りしてる設定も結構あるんだよ」
「俺が豆しか食わねェのも、
 当初は“修行”だっつー無茶な理由以外の設定があったしな」
「へえ、そうなんだ。でも確かそれどこかで説明したから今回はいいよ」
「分かったぜ! はーっはっはっはァ!」
「えーとそれでは好きなキャラは“やさしい。いろんな面があって、人間らしいところ@広瀬”のトロックマさんからでした!」
「本当に広瀬率が高いねぇ。これで人気投票の時、一票差でちーちゃんにひっくり返されちゃったって所が、本当広瀬らしいよねぇ」
「お前ェは何位だったんでェ?」
「えっと、攻略対象中、最下位だよ」
「最下位か!」
「うん。俺以外の人、全員クリア後にルート解放って条件も厳しかったしね」
「割りにさっぱりしてるじゃねェか。悔しくねェのか?」
「俺が最下位なら他の子達の間で無駄な争い起こらないじゃない?
 だったら俺はそれでいいよ」
「それに、俺に入れてくれた方達も居るんだし、
 その方達が俺のこと好きで居てくれるなら、それでいいんだ」
「量より質ってんだな? お前ェ、なかなかいい男じゃねェか」
「えへへ、戸神先輩に褒められると何だか複雑だけど……ありがと!」
「おう!」
「それじゃあ次のお便りでーす!」
To Be Continued.

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